With Plus No.3

学校法人北陸大学

 

 

妥結に向けての限度額提示

 

 何時の間にか、ジングル・ベルが慌ただしく聞こえてくる頃となりました。本学は給与改訂の早期合意を目指して組合と話合いを続けていますが、「With Plus No.2」にありますように、財務諸表をめぐって話合いが平行線をたどり、平均2.63%アップの提示をしたまま合意に至っていないことはご承知のとおりです。

 ところで組合は私大教連加盟の約100大学の平均給与レベルを求めているということですが、ここでもう一度、我々の現行レベルを客観的に見てみませんか。全国約400校の私立大学総合平均にかなり近いレベルに達しています。教育職員の年収における本学と全国約400校の私立大学平均との比較(平成7年)は、年齢によって多少の差異はありますが、次のとおりです。

 

教育職員年収比較  (単位:千円)

  年齢      本学平均    全国平均

   〜29才   4,800   4,700

30才〜34才   5,800   5,900

35才〜39才   7,400   7,200

40才〜44才   8,500   8,800

45才〜49才   9,100  10,400

50才〜54才  10,800  11,900

55才〜59才  12,300  12,600

60才〜     13,200  12,600

 

しかし、この提示では残念ながら組合の合意が得られていません。時間は遠慮なく過ぎ、皆さんをお待たせしたまま平成9年を迎えることになります。大切な業務が数多く控えている状況下、直接間接に様々な影響が心配されます。

 

 このため、何よりも膠着状態を打開することが最重要と判断し、組合に対し本俸ベ−スで全職員平均3.84%アップの最終的な提示をしました。この提示は、私立大学総合平均に極めて近い現行給与を、更にレベルアップするもので、組合が加盟する私大教連の今年の平均アップ率を大幅に上回った数字です。また、当然ながら全国レベルでの今春闘の結果である2.81%・金額で8,628円アップ(日経連統計)をはるかに上回っています。

 組合結成宣言に鑑みれば、本学回答は充分に理解が得られる内容であると信じ、組合との合意を求めて努力しています。参考までに付け加えますと、本俸ぺ−スで3.84%アップ・金額で15,500円で計算した場合、賞与を含めた4月遡及分差額は12月給与分までで232,500円となります。

 新たな提示の内容は下記の表の通りです。

 

教育職員

   年齢     平均昇給額/月   平均昇給率/月

   〜29才   11,100円   4.60%

30才〜39才   14,800円   4.51%

40才〜49才   17,900円   3.95%

50才〜59才   21,400円   3.66%

60才〜      16,400円   2.50%

    平 均   17,000円   3.75%

 

一般職員

   年齢     平均昇給額/月   平均昇給率/月

   〜29才   11,100円   5.61%

30才〜39才   13,200円   4.54%

40才〜49才   11,900円   3.24%

50才〜      11,200円   2.99%

    平 均   12,000円   4.18%

 

★教育職員・一般職員合計  月額平均15,500円up 3.84%

 

 

 

 

賞与支給の経緯について

 

 賞与については、「With Plus No.2」にもありますように平均3.5カ月(銀行振り込みで、現金支給も可能)で、早期支給を目指して努力してきました。しかし、給与改訂や次に述べる件で合意に至らず、支給が遅れてご迷惑をおかけしていますが、ようやく12月16日に支給する運びとなりました。

 ところで話は遡り、11月末のことですが、職員の皆さんから当時提示した平均2.63%アップの内容で賞与を支給して欲しい、との声が相次いでいたため、組合にこの主旨について申し入れをしました。その申し入れ書と、それに対して組合からの回答書を下に紹介します。

 この回答書で組合は、職員の皆さんへのアンケートを実施しないよう要求しました。ところで今回、本学の最終的な提示額として3.84%を示しました。組合の意志は前述のとおり回答書で確認済みですが、組合員以外の方々にはご希望の方もあるため、賞与の受取り方について10日の話合いで、改めてアンケート調査を実施したい旨、予め組合に伝えたところ、組合に対する敵対行為であるとしてあくまで反対するというのです。本学としては学内協調の立場から、ご希望の方には申し訳ないのですが、止むを得ず今回の貰与は全員現行給与に基づき支給します。事情をご賢察のうえご理解とご協力をお願いします。

 

 

 

平成8年11月29日

北陸大学教職員組合

執行委員長 土屋 隆 殿

  学校法人 北陸大学

  労務担当理事 西谷 朗

 

 年末賞与についての申し入れ

 

 本学では,貴組合と平成8年度給与改訂の交渉を続けておりますが,現在未だ妥結に至っておりません。一方で職員の皆さんからは現在大学か提示している給与改訂案で早急に実施して欲しいという要望があります。

 そこで,組合に所属されていない方で,こ希望の方には本年度年末賞与から,本学が現在提示している給与改訂の内容により,支給を実施したくアンケート調査を行います。

 つきましては,貴組合員の方々の取り扱いについても,下記のいずれを選択されるか,貴組合のこ意向を伺いたく,12月3日までに文書にて労務担当理事までご回答いただくようお願いいたします。

 なお,12月3日18時までにご回答がない場合は,妥結後お受け取りとして扱わさせていただきますので,念のため申し添えます。

 

   記

 

1.大学側提案により受け収る。(昇給率 平均2.63%)

2.現行給与により受け収る。

3.妥結後受け取る。

  *なお今後の交渉により,新たな結論がでた場合には差額を支給します。

 

 以上

 

 

 

北陸大学教職組発30号

1996年12月3日

学校法人 北陸大学

理事長 北元 喜朗 殿

   北陸大学教職員組合

   執行委員長 土屋 隆

 

  回 答 書

 

  年末賞与支給に関する申し入れに対し以下のように回答します。

 北陸大学教職員を代表する組合の意見を尊重されますよう要望します。

 

   記

 

1.年末賞与は、現行給与で計算した額を暫定的に支給すること。また、改定給与による差額は、交渉妥結後速やかに支給すること

 

2.支給に関して、組合委員と非組合員を区別するようなアンケートは行わないこと

 

 12月10日の話合いで組合に伝えた書面を紹介します。前述のとおり組合は絶対反対するとのことなので、学内協調を重視し組合員以外の方々へのアンケートは実施しないことにしました。

 

 

 

  貴組合の1996年12月3日付「回答書」について

 

 貴組合の1996年12月3日付回答書に対し、次のとおり私共の見解を申し上げます。貴組合は上記回答書の中で「(年末賞与の)支給に関して、組合員と非組合員を区別するようなアンケートは行わないこと」を求めておられます。しかしながら、申すまでもないことですが、貴組合員の方々の労働条件は貴組合と本学との集団的労使関係、すなわち、団体交渉に委ねられていますが、非組合員の方々の労働条件はあくまで個々の職員と本学との個別的労使関係の場に委ねられております。本学といたしましては、貴組合員の年末賞与につきましては、貴組合のご意向を伺うべきであると考え、平成8年11月29日付申入書により「1.大学側提案により受け取る。2.現行給与により受け取る。3.妥結後受け取る。」のいずれを選択されるかお伺いいたしました。

 その結果、貴組合は前記回答書により、上記2を選択され、「年末賞与は、現行給与で計算した額を暫定的に支給すること」を求められました。本学といたしましては、貴組合員につきましては、この貴組合のご回答を尊重して対処いたしたいと考えております。

 そこで、本学といたしましては、非組合員の方々につきましても、貴組合にお伺いしたのと同様に、前記1、2のいずれを選択されるかをお伺いし、そのご意向に沿って対処いたしたいと考えております(非組合員の方につきましては前記3の選択肢は不要と存じます)。要するに、貴組合に対しても、非組合員の方々に対しても、全く同内容の提示をし、それぞれ、そのご意思に従って年末賞与を取り扱うのが筋であると考える次第であります。貴組合が前記2を選択されたのは貴組合としてお考えがあってのことと存じますが、非組合員の方々も、同様に年末賞与について自己の意思を表明し、自己の意思に従った取り扱いを求める権利があると申さねばなりません。以上のとおり、本学といたしましては、非組合員の方々に対しても、貴組合にお伺いしたのと全く同内容でご意思を伺い、各人の意思に従った取り扱いをいたしたいと存じます。貴組合は「組合員と非組合員を区別するようなアンケートは行わないこと」を求めておられますが、自らの意思に従った取り扱いを受けることにより、仮に結果として取り扱いに差が生じることがあるとしても、それはまさにそれぞれが自らの意思によって選択した結果と申さねばなりません。

 以上、貴組合の「回答」に対し、私共の見解を申し述べます。

 

  With Plus No.3

発 行 日 1996年12月13日

発   行 学校法人 北 陸 大 学

編集責任者  中川 幸一

 

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