教員有志の選挙実施提案に回答

 

With Plus

平成9年2月6日

 

良識に基づき、冷静な対応を

 1月24日付で教員有志世話人より「学長・学部長選出規程と選挙実施の提案」なる文書が理事長に提出されました。本学の正規の機関ではない職員個人の集まりである教員有志が行う学長候補者自主選挙は、何ら実効性を有するものではなく、かかる自主選挙を強行すれば本学の運営、秩序を大きく乱すことは間違いなく、学校法人としても到底看過できるものではありません。このため前述の選挙実施の提案について下記の回答をしました。教員の皆様におかれましては、このことをご理解いただき、冷静に対応いただきますようお願いいたします。

 

 本学の現状と将来を考えるとき、いま学内で度々起こつている事態は、極めて異常で憂慮に堪えないものがあります。そのひとつは、自治的に自らを律し高めることを尊しとするはずの大学人が、学内のいかなる正規の機関の議を経ようともせず、最近ではその努力も一切放棄し、更に甚だしきは学外の機関に訴えあるいは発表することです。立場により見解に如何に隔たりがあろうとも議を尽くし律に基づき解決を目指すことこそ、大学人の誇りのはずです。

 更に、本件は提案と称されていますが、本学の正規の機関で討議をつくしたものではなく、正に数の力を背景にした一方的な押し付けです。学長・学部長選任に関わる事項は、本学の根幹に係わる重要な問題であることは申すまでもありません。まして、提案者の教員有志世話人6人のうち5人までもが、先に次期学長決定無効確認等の原告として学外に判断を委ねていること、ならびに有志世話人全員が教職員組合の執行委員であることからも、この提案をどう取り扱うべきか良識ある大学人なら容易に理解いただけるでしょう。

 さて、学長任用・学部長選任に関わる規程の改正については、現行規程に基づき順序を経て理事ならびに本学構成員の関係者で検討すべきです。そうであるにもかかわらず、時間の制約があるからといって、一方的かつ強引に押しつけることは、本来の民主主義とは、相入れません。意見をよく聴き、全体として多数が納得する結果に集約することこそ、民主主義の原点ではないでしょうか。現状を性急に変更することは、困難です。その意味で次期学部長選任は現行規程で実施するのが最良であり、新学長のもと議を尽くし、全体的に支持され信頼を得られるシステムをつくるべきです。そのため、教員有志との話し合いの土俵作りについて、先に実現を申し入れています。

 いま、4000余の学生緒君と6000近くの卒業生諸君に思いをいたすとき、学園の秩序の回復こそ最優先すべき緊急の課題です。これまでの考え方の相違を少しでも縮め、秩序正しく冷静に話し合う場を、双方の努力でつくろうではありませんか。呉々も、この規程案を一方的に実施し、本学に回帰不可能な亀裂と混迷を現出せしめ、これ以上社会的評価を失墜させることのないよう、教員有志世話人ならぴに教員各位の良識に訴えるものです。

 

教員有志世話人殿

 

1997年2月5日

専務理事 中川幸一

 

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