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平成9年2月7日

 

学長から教員各位へ通知書

  秩序、自治、信頼の維持求める

 2日4日付で教員有志世話人より「学長候補者選挙実施提案」「学長候補者自主選挙施行のための暫定細則」のほか学長候補者自主選挙実施のためのアンケートなどが教員の皆様に配布されたことはご承知のとおりです。かかる選挙を強行することは本学の秩序を著しく混乱させるのみならず、自ら大学の自治をないがしろにするものであります。かかる行為に対し久野学長は6日、全学教授会において遺憾の意を表明するとともに、下記の通知書を教員各位に配布しました.正規の順序、手続きを経ないこうした学長候補者自主選挙は法的根拠もなく、実効性のないものであります.

 

平成9年2月6日

教員各位

 

通知

 平成9年1月24日付で教員有志世話人より「学長・学部長選出規程と選挙実施の提案」

なる文書が理事長に提出されたのに続き、2月4日付で同じく教員有志世話人より「学長候補者選挙実施提案」と「学長侯補者自主選挙施行のための暫定細則」「自主選挙実施のための選挙管理委員会規程」「選挙管理委員、選挙実施および公示日に関するアンケート」が教員に配布されました。

 こうした行為により、教員の有志が学長侯補者自主選挙なるものを強行しようとすることは、学内諸規程を無視するのみならず、学内組織、教育現場に大きな混乱を生じるものであり、到底看過できるものではありません。学長の選任については本学の学長任用規定に基づき順序を経て決定するのが正規の選出方法であり、教員の有志が行う学長候補者自主選挙は実効性を有するものではなく、自らが大学の自治を踏みにじる背反行為であると言わざるを得ません。

 北陸大学は、私学としての独自性を発揮し、その建学の精神に則っつた活動をすべき使命を負った私立大学であります。私立大学の学長の人事は、様々な角度から、また高度な教育的判断、経営的判断からなされるものでなければなりません。一有志が、少子化・選別化の大学冬の時代の趨勢を忘れ、正当な順序も踏まえず、思いのままに振る舞っているとしか思われません。どうか、一有志が現在強行しようとしていることが本当に最高学府である大学に相応しい行動なのか、そして有益なのか、学生たちに胸を張って説明できることなのか、在学生や入学を心待ちにしている新入生に迷惑をかけることがないのかを、今一度考えていただきたい。4,000有余の在学生、その父母、あまたたの卒業生の負託に応えるべく、信頼を損なわれることのないよう、また、教育現場に無用な混乱を招く生じることのないよう、軽率な行動を慎まれん事を切に望むものです。

よって、私は北陸大学学長として、かようなアンケートや投票に加担することのないよう通知するとともに、各位の見識に訴えるものです。

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