With Plus 編集委員会

平成9年2月8日

 

自主選挙強行は本学歴史に汚点

     教員有志6人に通告書発送

 教員有志の「学長候補者自主選挙」に関する久野学長の通知が先日配布されましたが、本学の現状と将来のことを深く思い、更には4000人の学生と6000人に及ぶ卒業生の心中、そして本学の秩序と信用を考え、重ねて教員各位の見識に訴えるものです。

 正規の手続きを全く無視した数の力による選挙規程制定の動きとそれに基づく選挙の実施は、本学を回復不能に近い未曾有の混乱に陥れることは明らかです。2月6日の全学教授会においては、学長候補者自主選挙に対する遺憾の意を表し、その実施に向けたアンケートや投票に加担しないことを求めた学長の通知に関して種々意見が交わされ、出席者13人のうち8人が挙手をもってこの通知を全教員に配布すべきであるとの意志を明示しました。教学の最高審議機関におけるこうした議論の結果は、やはり重く受け止めるべきであると考えます。

 本学が今立っている足元を冷静に見れば、未だ入試期間のさ中であり、後には卒業式、入学式といった重要な行事を控えています。そして取り巻く環境に目を転じれば、18歳人口の激減で今年度は各大学とも目に見えて受験者数を減らし、本学もその例外ではありまん。かかる状況下で、ルール無視の無謀な自主選挙を強行すれば、学生、卒業生、そして地域社会の人々の本学に対する目も一層厳しさを増します.こうした観点から言えば自主選挙の強行は自殺行為にも等しく、22年前の創立以来あまたの人々が手塩に掛けてここまで育てた本学の歴史に大きな汚点を残すものにはかなりません。このため、学校法人は教員有志世話人6人に対し、学長候補者自主選挙に閑する法人の通知に応じなければ重大な決意を持って対処せざるを得ない旨を告げる通告書を7日、配達証明書付速達郵便で発送しました。

 2月7日付の朝日新聞、読売新聞に本学の教員有志の自主選挙に関するする記事が掲載されました.朝日新聞には「教授側が独自に学長の選出規定を作り、今月下旬に自主選挙をすることが6日、わかった」とあり、読売新開には「有志教授側は同日までに、学長の選出規定をつくり、13日公示、21日投票の学長選を独自に行うことを決めている」とあります.両新聞の記者は当然教員有志に取材しているものと思われますが、有志の自主選挙実施に閑するアンケートの締め切りは教員有志自らが2月8日としているにもかかわらず、両紙の記事ではその前に教員有志が選挙実施を決定している記述になっています.とすれば、教員有志はアンケートの結果を待たずして自主選挙の強行を決めていたことになり、この点にも有志のルール無視の姿勢が如実に表れています。

職員の皆様におかれては、こうした新聞報道をも冷静に受け止め、本学にとって現在秩序と信頼を取り戻すことこそ必要であることを念頭に、学外からの問い合わせには毅然とした受け答えをお願いいたします。また、いかなる状況にあろうとも、教育現場に混乱を招くことは厳に慎まねばならず、重ねて皆様のご理解とご協力をお願いする次第です。

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