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平成9年2月10日

 

良識と勇気ある判断を

 有志6人と組合執行委員長に通告書

 教員有志世話人が学内規程に根拠を持たず、学内の正式の機関の審議も経ないでほしいままに学長選挙に関する規程を作成し、「学長侯補者自主選挙」の準備を進めていることに関して学校法人は、学長候補者自主選挙実施に向けた一連の運動により本学の秩序と社会的信用が損なわれるのを防ぐため、2月10日までに2度にわたり教員有志世話人6人と、その運動を支援する教職員組合執行委員長に対して通告書を発送しました。また、久野学長は2月6日付の通知書に続いて10日付で、かかる異常な状況にあって良識と勇気ある判断を求める通知書を教員各位に配布しました。

 教員有志世話人6人に対する通告書では、本学諸規程を無視した何ら実効牲のない自主選挙に関する法人の通知に応じなければ、重大な決意を持って対処せざるを得ない旨を告げ、組合執行委員長に対する通告書では、かかる法的根拠のない自主選挙を支援することは組合活動の範囲を明らかに逸脱する違法な組合活動であることを告げました。皆様におかれましては、本学が今置かれている状況を今一度冷静に判断し、将来に悔恨を残すことのないよう切にご理解をお願いする次第です。10日付で学長が配布した通知書の原文を以下に掲載いたします。

 

平成9年2月10日

 北陸大学 

学長 久野 栄進

 

通 知

残念なことに、2月7日にまたもや一部の心ない教員が、例によって有志と名乗り記者会見を行い学内の問題を学外にまで持ち出し流布しました。かようなことが、一度ならずどれほど本学の社会的評価を貶め、多くの在学生をはじめ、その父母、卒業生の心を悲しみに追いやる行為であるかを、彼らは一度でも考えたことがあるのでしょうか。もはや教育者の資格はないと言えます。ここに至ってはもとより私の望むところではありませんが、こうしたことに対し、法的措置も含め毅然とした対応をせざるを得ないと考えます。

 私は北陸大学学長として、再度教員各位に申し上げたい。数の力のみによる法的根拠のない自主選挙は、学内、特に教育の現場を混乱に陥れるとともに、更には大学自治を標榜する彼らの自殺行為であることは容易に理解していただけるでしょう。各位もご承知のとおり、先の全学教授会においては、学長候補者自主選挙に対する遺憾の意を表した通知書を配布することに、良識ある判断が下されました。

 次期学長の選任は本学の規程に則り、合法的に行われました。しかしながら、例えその結果に納得できないとしても、法治国家においては法に基づき法に従った改正の手続きが必要でしょう。学校法人も、学長任用・学部長選出規程については、断じて変更しないなどと言っているのではありません。まず前向きに共同で検討できる環境を作ることこそ、現在の指導的教員各位の役割であるはずです。

言うまでもなく大学の教員としての行動はどうあるべきか、充分にご承知と思います。各位の良識が、すべからく数の論理を越えて創造的発展へ機能する環境を構築するよう、勇気ある判断を今一度求め、教員各位に訴えるものです。

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