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平成9年3月31日

 

教学新体制のもと更なる発展と結束を

本学理事会は北陸大学学長任用規定に基づき佐々木吉男法学部長を次期学長に選任しました.また理事会は北陸大学学部長候補者選出内規に基づき佐々木法学部長の後任に松本幹雄教授を決定し,任期満了に伴う次期薬学部長に山本郁男教授,次期外国語学部長に高田維有教授を決定しました.次期学長,次期3学部長とも任期は4月1日からで,佐々木次期学長は4年間,松本次期学部長は1年間,山本次期学部長,高田次期学部長は2年間です.新年度が始まる4月1日からは,学長,3学部長の教学首脳陣全員が顔ぶれを一新するわけであり,本学は,この新体制のもと学内正常化に向け一致団結して前進するものであります.佐々木次期学長はじめ次期3学部長は,人格,識見ともに優れた方々であり,学内運営の円滑化が急務となっている現状にあっては,まさに適任であります.また,6年間にわたり教学をリードしてこられた久野栄進学長におかれては,問題が相次ぐ中での重責を全うされ,心よりの感謝の念を表したいと思います.本学は今,学内正常かはもとより,少子化,或いは大学の存在価値が問われる時代の波への対応を迫られています.新学長の大役を担う佐々木法学部長には,指導者としての手腕に大いに期待するのは言うまでもありませんが,学内外ともに課題が山積みする中,ひとり新学長の奮闘克服を委ねるべきものではなく,教育・研究の発展を旗印に職員全員が結束して新学長を支えていくべきではないでしょうか.

ここ1年の間に,本学では所定のルールに反し,本学の名誉を損なう行為が繰り返され,学内秩序の混乱はもとより本学に対する社会的評価の低下をも引き起こしました.さらには価値観の変化,多様化に伴い大学のあり方が厳しく問われている中で,本学が社会において確固たる存在感を示すには,まず秩序を回復し,本学の特色,個性をより明確に打ち出さねばなりません.そのことはとりもなおさず,本学固有の歴史の中で形成された学内規定を重要事項決定の羅針盤とし,独自の精神性から生まれた建学の精神,教育理念を具現化することにほかなりません.学校法人が現行規定を遵守し,新たな教学首脳陣を決めた背景にはこうした事情があります.むろん,教員の意思を学内運営に反映する努力を惜しむものではありませんが,それはあくまで学内規定に則り,正規の機関で議論を重ねたうえであることは言うまでもありません.21世紀を目前に,本学は国内のみならず国際社会にも貢献できる人材を多数輩出する大学に発展する足固めをしなければなりません.このため,学校法人は今後の基本姿勢として下記の理事長声明文を発表し,職員諸兄の更なるご理解とご協力を切に求めるものであります.

 

 学校法人北陸大学は、北陸大学学長に佐々木吉男法学部長を選任いたしました,任期は平成9年4月1日から平成13年3月31日までの4年間です.

新学長は、適法に成立し運用されてきた現行の学長任用規定に則り選任されたものです.これを機会に、本学は次のとおり今後の大学運営の基本方針を定め、新学長の指導力の下、学内の諸問題の解決を図る所存でございますので、ご理解を賜り、本学の円滑な運営と発展にご協力いただきたいと、願うものであります.

 

1. 本学は、教職員に対し、本学の建学の精神および私学としての独自牲を理解し、これに沿って教育・研究・職務に専念するよう、引き続き求めて行きます.

2. 本学には、これまで営々と築いてきた学長任用規定をはじめとする諸規定があり、そのルールに従って問題解決を図ることこそが、私学の本質であると信じています。それを放棄し、司法その他の機関に学長選任問題等の解決を委ねることは私学の自治の放棄であり、しいては私立大学としての存在の自己否定につながるものと考えます.

3. 今後、一部教職員により違法な行為が繰り返される場合、これに対しては、本学の諸規程に基づき厳正に対処していく所存であります.

4.今後、本学は教育職員の意思を反映できるよう、学長選任その他の選考手続につき、私学におけるあるべき姿を検討して行く所存であります.

5.前項の目的のため、新学長の下、教育職員の意思を徴する場を設けることを約します。

 

 今日のように、理事会に対し、一部の教職員が先鋭に対抗している中では、もとより学長・学部長選出に際し選挙制度の導入はありえませんが、上記の対話を重ねることにより、双方において本学を発展に導く上での十分な信頼関係が醸成された暁には、本学としては、学長選出のルールをはじめとする教学運営のあり方を十分に検討し、本学の新たなる伝統を創造していくことについて何ら躊躇するものでないことを、明らかにするものであります.

理 事 長

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