With Plus 発行日なし(1997年10月末か?)

 

明るく活力のある職場をめざして

  学園祭も盛会のうちに幕を閉じました。みなさんには、ご協力ありがとうございました。学生のエネルギーが溢れる、すばらしい学園祭に感激でした。

 さて、後期授業も始まり、来月からはいよいよ入試も始まります。何かとお忙しいことと思いますが、今後とも円滑な大学運営にご協力お願いいたします。

 学校法人は、10月2日の団体交渉において、時間外勤務手当の遡及払い、職員の雇用契約に関する取扱内規の見直し、退職手当支給規程の見直しに関する方針を提示しました。これらは、みなさんの労働環境に密接に関連するものとして検討の結果、よりよい労使関係を構築するための具体的な第一歩として提案するものです。

 時間外勤務手当については、平成5年10月から6年12月までの時間外勤務に関し、在籍者を対象に、把握できる時間数に基づき個人別に計算し、支払います。時間外勤務手当をめぐって、36協定交渉が暗礁に乗り上げていましたが、これにより一日も早く正常な勤務体制を確立して、力を合わせ、明るい環境づくりをと願うものです。支給までには一連の作業がありますが、11月25日までのできるだけ早期にと考えています。

 現行内規による雇用契約は、今年ようやく国において立法化された教員任期制の趣旨を先取りした制度です。大学教員の人事について、大学審議会は、「同質者の間ではとかく発想が似通ったものとなり、また相互の批判や競争の機会も少なくなり、教育研究が低調になりがちである。さらに、若手教員については、人事の停滞などの影響もあり、長期にわたって特定の教授等の研究テーマ・方針などに拘束されて、その柔軟な発想を教育研究に生かすことが困難な状況も指摘されている」とし、「大学教員については、優れた人材を確保するとともに、多様な経歴・経験を持つ者が切磋琢磨しつつ、その能力を高め、教育研究を活性化させることが重要である」との認識に立って、「教員の流動性が高まり、相互に学問的刺激を与え合ったり批判し合ったりすることは、教員の教育研究能力を高める」有効な施策であると結論づけています。本学においても、一定の効果を期待して、導入を図ったものです。しかしながら、現状では、教員採用時の一定の障害となることも事実であり、今般、見直すこととしました。現在、既に1年以上在籍されている方の取り扱いについても、教育職員・一般職員ともに、新しい制度の趣旨により、前向きな対処を検討中です。ただし、社会情勢は雇用形態の多様化の流れにあり、本学においても、契約制による雇用の必要性が増加しているのも事実です。こうした雇用形態のあり方の変遷に発展的に対応できるよう、また、大学に働く各人が、各々のライフスタイルに合わせて自己実現を図っていけるような雇用のあり方を目指しています。.

 現行の退職手当支給規程は、平成6年に改正されたものですが、それは、昭和50年本学が創設されたばかりの財政的展望がない時に、他機関の規程を基準として制定されたままであったものを、創設後20年になろうという当時、ようやく本学独自の視座に立って、財政的見直しや社会状況の変化などを考慮しつつ第一次の改定を行ったものです。今般、この規程について再検討を約しました。これに際しては、退職手当についての社会的見解・情勢を踏まえることはもちろん、本学の財政事情を展望する必要があることは、申すまでもありません。その制約の中にも、多年に亙り本学に勤務し、貢献されてきた方への感謝と思いやりを具現化するという観点に立って、今年度内の結論を目指しています。

学校法人は、明るく活力ある職場をめざして、労働環境の改善に取組むものであります。みなさんのご理解とご協力をお願いします。

 

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